グザヴィエ・ドラン バウンド・トゥ・インポッシブル
【ジャン・コクトー】
「たかが世界の終わり 」までのドキュメンタリー。「バウンド・トゥ・インポッシブル」の原題はXavier Dolan: à l'impossible je suis tenu。
A l'impossible je suis tenuというのはジャン・コクトーの「オルフェ」に出てくる言葉らしい。
「不可能を追い求めて」みたいな訳だったかな。
元々はA l'impossible nul n'est tenu(不可能なことをする義務はだれにもない)という諺。
なので、あえて不可能なことをやる、という意味が際立つ。
※追記
「A l'impossible on est tenu, Hans.(不可能に挑むんだよ ハンス)」
と語っていた。
映画の後半、カフェで白髪の男性の後姿を見て「あれ、ジャン・コクトーじゃないか?」「いや、ジャン・コクトーはもう死んでる」という台詞もある。
グザヴィエ・ドランは果たしてジャン・コクトー好きなのか、レオス・カラックス好きなのか。それとも両方か。
【アナトール・フランス】
2016年、カンヌ映画祭グランプリのスピーチでグザヴィエ・ドランはアナトール・フランスを引用した。
"J'ai toujours préféré la folie des passions à la sagesse de l'indifférence."
(無関心な分別より情熱的な狂気を選ぶ)
これは「シルヴェストル・ボナールの罪」という作品に出てくるらしい。
- 作者: アナトールフランス,Anatole France,伊吹武彦
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【花様年華】
「花様年華」にすごい衝撃を受けた。
背後からのスローモーションにね。
(「胸騒ぎの恋人」を見た時、感じたことが裏づけされてよかった)
【画】
「まずファッション誌を山のように買う。ページをめくりながら次々と写真に目を通していくんだ。ひらめきを感じたらすぐに破り取る」
あと、「まず音楽、次に予告編を考え、それから撮影」と言っていた。
やっぱり断片のひらめきを大事にする映画作家なんだなあ。