ケン・ローチ監督「天使の分け前」でスコットランドの英語を学ぶ(でも訛りがひどくて学べない)
スコットランド、グラスゴーを舞台とした(ケン・ローチにしては)明るい作品だ。
英語に関しては、とにかく訛りがひどい(ほぼ分からない)。
タイトルについて
タイトルについては作中で蒸留所の女性が説明してくれている。
Now every year about 2 % of the spirit is actually lost.
It just disappears and evaporates into thin air. Gone forever.
It's what we call the "angels' share".この(大樽=caskに入った)蒸留酒の約2%が毎年失われる。
跡形もなく蒸発して、二度と戻ってこない。
これを“天使の分け前”と呼んでるの。
辻仁成も「天使のわけまえ」という映画を作っているが(ウイスキーとは無関係?)、ケン・ローチのこの作品はちゃんと「天使の分け前」という言葉がストーリーの伏線になっている。
挿入歌について
プロクレイマーズが1988年に発表した「I'm Gonna Be (500 Miles)」という曲がたびたび使われている。
プロクレイマーズはスコットランドの2人組で、この映画の雰囲気にもピッタリの曲だ。
サビはこうだ。
500マイル歩いたら
あと500マイル歩く
1000マイル歩いた男になるために
そして君の家の前でぶっ倒れようBut I would walk 500 miles
And I would walk 500 more
Just to be the man who walked 1000 miles
To fall down at your door
それ以外の部分でも「君の隣で起きる男になる」「君のために働く男になる」などとストレートな歌詞を繰り返している(スコットランド訛りで)。
この曲のためにこの映画が作られたのではないかと思うほど映画にハマった曲だ。
イギリス英語の語彙
sitting room
居間、リビングルーム
Go on, get in the sitting room.
mug
<英俗>(だまされやすい)間抜け、バカ
Robbie! No!
Don't be a mug. No!
That's what they want!
ここの「Don't be a mug.」はハリーがロビーに対して諭しているところ。
奴らの狙いどおりにならないよう、「罠に引っかかるな」「こらえるんだ」「思うつぼだぞ」と。
wee
(スコットランド)小さな
Luke, I swear on your life, and on mine, that I will never hurt another person as long as I live. That's a promise, wee man.
ルーク
お前と俺の命にかけて誓う
もう誰も傷つけない
約束するよ
You'd have been safer inside, you wee prick.
Watch your fucking back.
- See you soon, you wee dick.
- Catch you after, hairy hole.
ムショのほうが安全だったのにな
背後に気をつけろ
またな
覚悟しとけ(=asshole)
scamp
ヤクザもの; やんちゃ小僧
(アメリカでも使う)
You're a scamp, Robbie Emerson.
From the first day I saw you.
やんちゃな男だわ
一目会った時からね